終末期に限らず、高齢者の人は
「まだお迎えが来なくてね・・・」
「そろそろおじいちゃんがお迎えに来るはずなんだけど」
と、【お迎え】という言葉をよく口にします。
【お迎え】とは、お迎え現象・終末期体験とも言われ、
自分の死を迎えるときに、すでに亡くなっている近しい人やペット、
あるいは、きれいな景色や天使・天国・光などといった通常では存在しない物を
感じることを言います。
2007年に行われた遺族を対象にしたある研究は、約4割の故人が何らかの
【お迎え現象】があったと報告しています。(遺族が把握していないケースもあり、実際はもっと多いと予想されます)
科学では証明できないこの【お迎え現象】は、脳の活動低下による幻覚と説明されることもありますが、
ただ、【お迎え現象】を経験した90%は穏やかな最期を迎えることができたという報告もあります。
科学や医学では証明できないこの現象は、
私達人間が、「死」という恐怖や不安を少しでも払拭したいと強く願った
一種の伝承なのではないかと、私は思っています。
そして、自分自身の経験からも、
この現象は存在するとも思っています。
世の中、証明できる事だけが事実とは限りません。
目に見えない事にも、証明できない事にも真実は存在しており、
むしろ、そこにこそ、大切なものが宿っているのではないかと思います。
死を迎えたとき、
その恐怖と不安を和らげてくれるのは、科学でも医学でもありません。
すべての人に当てはまる訳ではありませんが
少なくとも、一定の人にとっては、死後の世界が想像できる・死後も何かと繋がっている、という感覚が、
「死」への恐怖と不安を和らげてくれるのではないかと思うのです。