先日、『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』ー小林孝延著ー
という本を読了しました。
メディアで取り上げられたので、ご存じの方も多いかもしれません。
私は書店で手にしたのですが、仕事柄「余命宣告」という言葉には敏感なのと
もう一つ、「犬」というワードに惹かれました。
我が家も同じような経験があったからです。
主人が数年前に難病と診断され仕事ができなくなりました。
大学生と大学受験を控えた子供がいた我が家は生活が一変。これまで積み上げてきた生活も幸せも一気に押し流され
脆弱した生活と言い得ぬ不安と恐怖だけが残されました。
安心で安全だった生活や人生が足元から崩れ、人間関係も変化し、様々なものの儚さを知りました。
様々な感情が家族の中で、静かに、時に激しく行き交う中、
偶然、いえ必然に3年前、子犬との出会いがありました。
飼う事への責任、不安や負担、主人の介護との両立を考えると普通なら躊躇するものです。
しかも、旅行好きの私にはどう考えても飼うという選択肢はないはずなのです。
しかし、慎重派の私がこの時ばかりは「縁」という不明確なものに背中を押されました。
この子犬の目に、希望を感じたのです。「この子は我が家に幸せを運んでくれる」直感的にそう感じました。
そして息子の「いいんじゃない、僕も手伝うよ」という言葉を頼りに、我が家にお迎えしました。
そこからは、我が家は子犬中心の生活に変わりました。
空気も一変し、家族の笑い声が戻ってきました。会話も増え、和やかに明るくなりました。
何より、我が家の愛犬は主人が大好きで、いつも傍にいて見守っています。主人にも笑顔が戻ってきました。
いろいろあった数年間でしたが、今は愛犬のおかげで家族は幸せの笑顔に包まれています。
今は、愛犬といろいろ旅をするのが楽しみです。この秋も何処に行こうかと思案中ですが・・・
実は我が家の愛犬は、おうちが大好きで、お出かけが苦手というオチが付いています。
笑笑
あの時、愛犬との出会いがなかったら、飼わない選択をしていたら、我が家はどうなっていたのだろうと考えると
ぞっとします。そして、新しい家族の絆と幸せを紡いでくれた愛犬は、今も私の隣で「もう、終わります?終わったら遊んでくれますよね?」と希望を見せてくれた大きな瞳で今度は「遊んで!」とおねだりしています。
この小さな愛する命と、主人の残りの命を大切にしながら、今日も生きていこうと思っています。