母のがんに寄せて  ~命を想う親孝行~

先日、母が肺がんの告知を受けました。

70代半ば、何があってもおかしくない歳です。

数年前に、父も肺がん・脳転移で大きな手術・抗がん剤治療を受け、

今もがんサバイバーとして生活していることや

私自身、大学病院での看護師としての経験もあって

比較的冷静に

「とうとう、母にも命の限りがやってきたんだなぁ」

と受け止めています。

母との52年間の親子生活の中で、

人並みの喧嘩も反抗期もあり、途中1~2年ほど連絡を取らなかった時期も

ありましたが、子供が生まれてからはいろいろと助けてもらい、

お陰様で2人の子供達も立派に大きく成長しました。

今は、週に1,2日ほど実家を訪ね、いろいろな話をしたり、散歩したり

穏やかな関係が続いています。

そんな母の命の有限は、これからどれだけ残されているのか

抗がん剤や放射線治療の効果に左右されることになりますし、

他の疾患が原因でその時間が途切れてしまうかもしれません。

どちらにしても

治療による体力の消耗と心の消耗も徐々に進んでいくことは

間違いありません。

子供として、何ができるのか

ここ数日は、そんなことを考えて過ごしています。

でも、

その時間が、親孝行の時間なのだと、

幸せな時間なのだ、と思います。

大切な人が命の有限を突きつけられる病気になるということは、

確かに辛く悲しいことではありますが、

何ができるかな、何をしてあげられるのかな、

と相手のことを想い、寄り添う気持ちが持てる幸せも

同時に与えられているのだと思います。

ですから、

これからの残された時間を、母を想い

その気持ちと寄り添いながら大切にしていこうと思っています。